前月分のまとめ

9 月の株式市場は再び変動率の高い展開となりました。上旬は米国の早期利上げ観測が浮上したことから、世界的に株式市場は下落傾向となり、9 月 20 日・21 日に開催された FOMC(米連邦公開市場委員会)にて利上げが見送られたことから上昇傾向に転じました。利上げ動向が引き続き市場にとって最大の関心事となっています。同じタイミングで日本では金融政策決定会合が開催されました。日銀は金融緩和強化に向け、「イールドカーブ・コントロール(10 年物国債の利回りがゼロ近辺となるように買入れを行うこと)」と、「オーバーシュート型コミットメント(物価上昇率が安定的に 2%を超えるまで量的緩和を継続すること)」の導入を発表しました。会合前に日銀がマイナス金利の深堀について言及していたこともあり、その決定事項に注目が集まっていましたが、マイナス金利については現状維持に留まりました。OPEC(石油輸出国機構)では石油生産量の減量合意に向けて引き続き話し合いが進められています。米大統領選が近づくにつれ、今後株式市場の動きは短期的に方向性の欠ける展開が予想されます。

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【米国】:

9 月、好調な経済指標にも関わらず FRB は引き続き政策金利の引き上げを見送りました。市場は大統領選の結果によっては市場状況が国内および世界的にも大きく変わる可能性がある為、それまで引き上げは行わないとの見方を強めています。

 

【欧州】:米司法省が不動産担保証券(MBS)の不適切販売をめぐり、ドイツ銀行へ 140 億ドルの制裁金支払いを求めている問題で、ユーロ圏金融機関の健全性に対して懸念が広がっています。欧州の金融機関は ECB(欧州中央銀行)によるマイナス金利政策によりすでに収益性が低下しており、今後破綻リスクが飛び火する可能性も否めないと言えます。

 

【新興国市場】:

9 月の新興国市場は明暗入り混じる展開となりました。ロシア株式市場については原油価格の回復が後押しとなり、中国およびインド株式市場が低調な中、新興国市場において最も良いパフォーマンスとなりました。先進国同様、新興国市場についても現状は不確定要素が多く、また、米ドル高も足かせとなっていることから、短期的には下落圧力に見舞われると見ています。

 

【日本】:

日銀は 9 月の金融政策決定会合において総括的な検証を行い、現行の政策枠組みの強化を目的に長短金利の操作を行うイールドカーブ・コントロールの導入を発表、10 年物国債金利が現状のゼロ%程度で推移するようコントロールしていくとしています。この発表後、日本円は再び 1 米ドル=100 円水準まで上昇、この新たな政策の効果に対して市場が懐疑的な反応を示したと見られます。

 

 

以上。平成28年10月分の経済レビューでした。

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西海行政書士事務所・総合コンサルタント

代表 西海 雅規

行政書士/宅地建物取引士/証券外務員/

ファイナンシャルプランナー/ライフコンサルタント