事前予想を覆し、共和党候補のドナルド・トランプ氏が米国の第 45 代大統領に選ばれたことで世界中に大きな衝 撃が広がりました。
トランプ次期大統領は選挙人数の過半数となる 270 人以 上を獲得、同日に行われた連邦議会議員選挙においても共和党が上下両院で過半数議席を確保し、共和党は大勝利を収めました。
現在の市場の懸念は見通しの不透明感にあると言えます。
短期的においては、市場はリスク選好とリスク回避の間を行き来する展開になると見られており、資金は日本円、金、債券等の安全資産と株式等のリスク資産へ流入流出 を繰り返すことが予想されます。
このような動きによって見通しは一層不透明感が増し、値動きはより激しいものとなる可能性があります。
これら市場反応はトランプ氏に政治経験がないことが要因になっており、選挙期間中に公約に挙げた通商政策や、エネルギー・ 環境政策、減税、移民政策の具体的な内容や実行方法は明らかにされていない為、議会の協力を得られるかという点で懐疑的な見方がなされています。
また、貿易相手国に対して保護主義的な措置を講じると述べていることから、新興国の輸出依存国にとって潜在的な影響を与える可能性も否めません。
米政策の方向性が明らかになるまで、市場は様子見姿勢を維持し、一時的には分散投資にてその不確実性に備えると見られます。
但し、今後米大統領制の徹底した三権分立が浸透していくことで、米政策への懸念による市場変動は徐々に安定していくと考えられます。
以上。経済レビューでした。
西海行政書士事務所・総合コンサルタント
代表 西海 雅規